WAPPLEへの思い
はじめまして。「犬のお宿 WAPPLE」の佐藤です。
この度は、大変多くの方に応援、そしてご協力をいただき、
なんとかWAPPLEを開店することができました。
謹んでこの場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
私は約20年間、社会福祉法人日本介助犬協会で介助犬育成に携わり、
障がい者の自立と社会参加を支援してまいりました。
始めたきっかけは偶然で、住んでいた東京都八王子市で介助犬の育成団体が立ち上がり、
ボランティアを募集していたので応募した…それがきっかけでした。
それから20年、、、。
介助犬をはじめとした補助犬をとりまく環境はその頃には想像もできないくらいに変わり、
「身体障害者補助犬法」という法律ができて社会的にも認められるようになりました。
まだまだ認知度や社会の受け入れには課題があるにせよ、
私も少しはこの歴史に貢献できたのかな、、、そんな思いでいます。
補助犬の良いところは、人と犬とがgive and takeの関係において、
お互いになくてはならない存在になっていくというところです。
犬は人にお世話をしてもらいながら生活をenjoyし、人がいざピンチ!のときにはそれを助ける。
犬はその事で飼い主から褒め言葉や時にはご褒美の食べ物をもらい、更に信頼を深めていく。
人も物理的な助けと、精神的な助けの両方を犬に与えてもらい、とても豊かな生活ができていく。
人と犬とが信頼関係をつくってきた歴史の原点がここにある気がするのです。
ここに信頼を裏切るような、苦痛や体罰があってはこの関係は成立しないのです。
そんな、介助犬を育成していくには、またたくさんの人と犬たちの協力が不可欠です。
介助犬育成の成功率は約3~4割程度です。(※育成団体によって違いはあります。)
私の所属していた社会福祉法人日本介助犬協会だけでも、
年間約30頭の訓練犬がキャリアチェンジし、
新しい家族に引き取られまた新たな道を進んでいきます。
また、介助犬もいずれは引退し一般の家庭犬となるので、
ここから先は介助犬育成団体としては大したフォローができなくなる現実があります。
私の次の役目は、そういった方々や犬に少しでもご恩返しができれば、、、
そんな思いからこのような犬のお宿を開店いたしました。
そして、今までの経験を活かし、介助犬とは関係のない犬達と飼い主さんとが良い関係を築けるためのお手伝いができればとも思っています。
それとは別に、緑豊かな自然の中で、ゆっくりと犬と一緒に暮らしたい、、、
WAPPLEの名に由来しているわがパートナーのワッフルにもそんな環境を提供したかったのです。
ワッフルも介助犬の訓練犬とはなったものの、キャリアチェンジした犬なので、
産みの家族、育ての家族、お散歩にいってくれたボランティアの皆さん、訓練したトレーナーetc、、、
たくさんの人の手や思いがつまった犬です。これからは私がその思いを引き継ぎ、
ワッフルがいつも笑っていられる環境作りを追及していきたいと思っています。
まずは、私とワッフルとの2人6脚のスタートですので、たくさんのことはできませんが、
皆様にご満足いただけるようなお宿にしていきたいと思っておりますので、
末永くお付き合いいただけますようどうぞよろしくお願いいたします。
犬のお宿 WAPPLE
佐藤 江利子